【会長声明】同性婚訴訟名古屋・福岡地裁判決を受けて

投稿者: | 2023年6月22日

令和5年5月31日、名古屋地方裁判所において、また、同年6月8日、福岡地方裁判所において、同性同士が婚姻できないのは憲法に反するとして国家賠償を求めた訴訟(以下、「同性婚訴訟」という。)の判決が出た。名古屋地裁判決は、「同性カップルに対し、その関係を国の制度によって公証し、その関係を保護するのにふさわしい効果を付与するための枠組みすら与えていない」ことは、憲法24条2項及び憲法14条1項に違反するとの違憲判決であった。

福岡地裁判決は、「同性カップルに婚姻制度の利用によって得られる利益を一切認めず、自らの選んだ相手と法的に家族になる手段を与えていない」現行法は、「個人の尊厳に立脚すべきものとする憲法24条2項に違反する状態にある」との判決であった。

この2つの判決で、同性婚訴訟の第一陣の結果が全て出揃った。「違憲」が2件、「違憲状態」が2件、「合憲」が1件との判断が示されたこととなった。

違憲、違憲状態との判断が示されたということは、同性カップルに対し法的保護が一切与えられていない現状を司法は厳しく見ていることの現れである。

当協議会は、ここにあらためて、国に対し、早急に法律上同性同士の婚姻を認める法改正の着手を求める。

なお、当協議会は、同性婚の法制化を求めている「公益社団法人Marriage For All Japan - 結婚の自由をすべての人に」の賛同団体となっており、同性婚の法制化に向けた同法人の活動をこれまで応援してきた。今後も、司法書士会への取り組みの呼びかけ、市民に対する啓発活動などを行い、引き続き応援を続けていく。

2023年6月22日

東京青年司法書士協議会

会長 宇野 健治