【会長声明】大震災から10年

投稿者: | 2021年3月11日

本日、東日本大震災および東京電力福島原子力発電所事故の発生から10年が経過した。被災地では自宅の再建やインフラの整備が進んでいる一方で、現在でも全国で4万1241名の方々が避難生活を余儀なくされている(令和3年2月26日現在、復興庁発表)。

当協議会では、発災直後に東日本大震災対策本部(現災害対策特別委員会)を立ち上げ、都内避難者向け相談会の実施や三陸沿岸部の仮設住宅を個別に訪問する巡回相談の活動をしてきた。また、平成28年4月からは宮城県女川町町民の方向けの仮設住宅における集会所相談および戸別訪問相談活動も開始した。震災から5年が経過した時期であったが、自立再建や災害公営住宅入居時期と重なったこともあり、被災者の相談需要は少なくなかった。さらに、定期的に同地を訪問し、そこで生活されている方々との交流を通じて、継続した「顔の見える」関係を築いていく活動の重要性も明らかになった。

また、東京電力福島原子力発電所事故により被害を受けた自治体では、帰還困難区域への立ち入り規制が緩和されるなどしているが、復興庁が昨年夏ごろに調査した住民意向調査によると、双葉町では6割以上の回答者が「戻らない」と決めているのに対し、「戻りたい」と回答した方は1割程度であり、前者の理由として医療環境への不安が上位にあげられている。区域外避難者への住宅提供等の支援が2年前に打ち切られた一方で、放射線の影響や健康不安が払しょくされていない状況は変わっておらず、国や避難者を受け入れている各地方自治体は、避難されている方々に対する生活支援策を行うことが求められている。

当協議会は、東日本大震災の被災者および福島原子力発電所事故の被害者の方々が“ふつうの暮らし”を送れるようになるまで、今後も支援する活動を継続していくことをあらためて決意し、ここに声明を発する。

 

令和3年3月11日

東京青年司法書士協議会

会長 中村貴寿